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8月 14, 2005

田中角栄の偉業/郵政民営化と日本の国家戦略の転換1/経済人類学の世界9

郵政民営化法案が参院で否決され、衆議院が解散、総選挙の方向が確定した。


郵政民営化法案の狙いを、日本の国家戦略的な視点から考えてみると、


1、郵政省の30万人の公務員削減

2、財政投融資→旧国鉄、道路公団、住宅公社、各種特殊法人などへの金の流れを断ち、小さな政府の実現である。


日本は戦後復興のため、戦争の引き上げ者を国家が養うような形で、緊急処置として、旧国鉄、郵政省、道路公団などの公務員の増員によって国民を雇用してきた。

また、国家の保障が受けられ、安心して預けられる郵貯、簡保からの財政投融資→旧国鉄、道路公団、住宅金融公庫、各種特殊法人などへの金の流れも、道路、鉄道の整備、一戸建て住宅の建設によって、日本の高度成長期には好景気循環に貢献した優れたシステムだった。


戦後の企業の高度成長→国民の賃金の増加→郵貯、簡保に貯蓄→財政投融資で道路、鉄道、住宅などの社会資本整備に回り、日本の雇用の1/3占める建設業の雇用、賃金の増加→企業の更なる成長という景気の好循環を生んだのだ。


このシステムを完成させたのが、新潟の土建業→交通会社の社長にして、政治家の故田中角栄氏であるが、彼はこの金の流れ生み出した『日本列島改造計画』に基づき、議員立法によって『道路税』などを新税創設し(民間からの直接投資)、財政投融資などからの投資を引き出し(民間からの間接投資)、民から官への金の流れを作った。



田中角栄の業績と功罪より---------------


社会基盤整備

衆議院議員として、100本を超える議員立法を成立させた。その中には、自らが中心となって全面改正を実現させた道路法や、道路・港湾・空港などの整備を行う各々の特別会計法が含まれ、戦後の日本の社会基盤整備に大きな影響を残した。

このような事例から、「コンピュータ付きブルドーザー」の異名を取った。

特に社会基盤整備を直接担当する建設省や運輸省等に対しては絶大な影響力を持った。また、自らが大臣として着任していた通産省や郵政省などにも大きな影響力を持ち、政治家による官僚コントロールの象徴的なケースとなった。


自らの選挙区である新潟県への社会基盤整備には特に熱心だった。「雪国と都会の格差の解消」「国土の均衡ある発展」を唱え、関越自動車道や上越新幹線のような大規模事業から、長岡市や小千谷市などの都市部での融雪装置設置や、山間部の各集落が冬でも孤立しないためのトンネル整備などの生活密着型事業まで、多様な公共事業の誘致に成功した。上越新幹線の浦佐駅(南魚沼市、旧大和町)東口には、現在でも田中の巨大な銅像が建立されている。


後援会の「越山会」は建設業者による公共事業受注と選挙の際の田中への投票というバーター取引の場となり、地域社会を支配した。


これは地域住民の生活向上に大きく貢献する有効な組織となった反面、自民党政治の典型である利益誘導や金権体質への強い批判を受け、公共事業へ過度に依存したいびつな産業構造も残した。


また、これらの公共事業の実施に際しては、長岡市の信濃川河川敷買収・利用問題などで自らや親族が役員を務める「ファミリー企業」への利益供与が疑われ、金脈問題への追及を受ける事になった。


ロッキード事件の真相

在任中に第一次オイルショックが発生し、中東政策をイスラエル支持からアラブ側支持に転換すると共に、中東地域以外からのエネルギーの直接確保に勤めた。なお、田中の支持者の間では、これがアメリカの石油資本の不興を買い、ロッキード事件による事実上の失脚につながったとする陰謀説を唱える者もいる。
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この田中角栄の作った日本の戦後国家戦略は、その後の日本の高度成長を見れば分かるがプラスの好景気循環を作り出し、成功を収めたと言える。


ところが、この国家戦略は思わぬというか、当然のマイナス面を抱えていて、それが、この後の日本を赤字国家へと転落させる結果になったのだ。


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次回に続く


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